トランプに『勇気がない』と言われた夜、ガソリンは190円になっていた

ホルムズ海峡の封鎖が宣言された。日本のガソリンは190円台に突入し、深夜のタイムラインが止まらない。
協議決裂 — 即座に飛び出した封鎖宣言
パキスタンの首都イスラマバードで続いていた米イラン高官協議が、4月12日に決裂した。Bloombergの報道によると、双方は文書レベルのやり取りを重ねたが、最終合意には届かなかったとされている。
トランプ大統領の反応は速かった。「直ちに発効する。世界最強の米海軍が、ホルムズ海峡の往来を試みるあらゆる船舶を封鎖するプロセスに着手する」。NHKも報じたこのSNS投稿が、12日の夜を一気に染めた。
3月2日 — イランが通航船への攻撃を警告、事実上の封鎖状態に
4月7日 — 米イラン、2週間の停戦で合意(海峡再開が条件)
4月8日 — トランプ氏、制裁緩和の協議を認める
4月11日 — パキスタンで高官協議が開始。同日「アラーに称賛あれ!」投稿
4月12日 — 協議決裂、海上封鎖を宣言
平時には1日約135隻が通過していたこの海峡。4月8日の通過はわずか7隻だったとBloombergは伝えている。
「文明が今夜滅びる」— 止まらないエスカレーション
ここ数週間のトランプ大統領の発言を時系列で並べると、トーンの変化が見えてくる。
イランに「石器時代に戻す」と宣告。イースターの行事では子どもたちの前でイラン戦争について語りだし、「文明全体が今夜滅びる」という声明まで出した。11日にはイラン協議の開始とほぼ同じタイミングで「アラーに称賛あれ!」とSNSに投稿し、産経新聞によると日本を含む複数国から批判が上がったとされている。
「さすがにちょっと怖くなってきた」「大統領のSNSをリアルタイムで追うの、精神的にきつい」という声もネット上に広がっている
CNNが入手した書簡によると、民主党のラスキン下院議員がホワイトハウスの主治医に大統領の認知機能検査を要請。「公の発言がますます支離滅裂で不安定になっている」との指摘で、CNN世論調査では米国民の66%がイランとの戦争に反対しているという。共和党はトランプ大統領の戦争権限制限を阻止しており、議会内の溝も深まっている。
「勇気も意志もない」— 名指しされた日本
4月11日、トランプ大統領はホルムズ海峡の機雷除去について「各国のために一掃作業を始める」とSNSに投稿した。日経新聞の報道で目を引いたのは、その続き。
(4月11日 トランプ大統領SNS投稿、日本経済新聞の報道より)
3月の段階で「日本は関与せざるを得ない」という発言がすでに時事通信で報じられていた。「勇気がない」という言い回しには、同盟国への苛立ちと、費用負担・軍事協力を引き出したい意図が透けて見える。
「日本を名指しって、次は何を要求されるの」「ガソリン代は上がるわ批判されるわで八方ふさがり」といった反応がSNS上では目立っている
高市早苗首相は3月の日米首脳会談で「世界に平和をもたらせるのはドナルドだけ」と発言。選挙ドットコムでは「いささか京都弁風味がある」と評された。渡米の機内で徹夜して考えたというこのフレーズで、「勇気がない」という批判を封じられるかどうか。外交と現実のギャップが、じわじわ広がっている。
ガソリン190円、卵パックも — 生活に届いた波紋
数字を並べてみる。
| 日付 | レギュラーガソリン(1L) | 軽油(1L) |
|---|---|---|
| 3月2日 | 158.5円 | 146.6円 |
| 3月9日 | 161.8円 | — |
| 3月16日 | 190.8円 | 178.4円 |
わずか2週間で30円以上の急騰。これは経産省の3月時点の集計だから、4月の今はさらに上振れしている可能性がある。原油先物は紛争前の60ドル台から4月7日に112.95ドルまで跳ね上がり、ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「恒久的な停戦は遠く、90〜100ドル台で一進一退」と見ているとされる。
影響はガソリンだけにとどまらない。関西テレビの報道によると、卵パックなどに使うプラスチックシートの原材料価格が約4割上昇しているという。石油は燃料のほかに食品包装・物流・化学製品にまで入り込んでいる。
JBpressの試算によると、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合、日本の石油備蓄は8月にも枯渇する可能性があるとされている。「コロナ禍を上回る経済活動の縮小」というシナリオも指摘されている。
深夜にスマホでニュースを追いながら「明日ガソリン入れとこうかな」と思った人がいたとしたら、その判断はたぶん間違っていない。
止まるのか、止まらないのか
トランプ大統領は「何が起ころうとアメリカは勝利する」と繰り返している。大規模恩赦の意向も時事通信が報じており、政権としては「強いアメリカ」の演出を止める気配がない。
・パキスタン協議は再開されるのか
・ホルムズ海峡の機雷除去はいつ完了するか
・日本に追加の軍事・費用負担が求められるか
・原油価格の推移と国内ガソリン補助金の持続性
京都新聞のサイトを開くと、「イランに切り札ないとトランプ氏」「対イラン制裁緩和を協議とトランプ氏」「海峡開放条件に攻撃2週間停止とトランプ氏」と、淡々とした短い見出しが並んでいる。この素っ気なさが、逆に事態の異常さを浮き彫りにしているように感じた。
ガソリン代がじわじわ上がり続ける春。深夜にニュースを追いながら「日本は結局どうするんだろう」と考えてしまう。答えはまだ、誰にも見えていない。
ホルムズ海峡危機、日本はどう対応すべきだと思う?