手のひらサイズなのにロスレス対応──小型Bluetoothスピーカー、2026年春に何が変わったのか

小さいスピーカーの音質は「まあこんなもんか」で済ませる時代が、どうやら終わりかけている。
JBL GO 5が突きつけた「小型でもロスレス」という現実
JBLが発表した「JBL GO 5」は、手のひらに収まるサイズのポータブルBluetoothスピーカーだ。AV Watchの報道によると、USBロスレス再生に対応し、従来モデルから高音質化を果たしたとされている。
ロスレスといえば、これまでは据え置き型やそこそこ大きめのスピーカーが担う領域だった。それが「GOシリーズ」——つまりJBLのラインナップでも最も小さい部類——に降りてきた。ここが今回のニュースで一番引っかかるところだと思う。
深夜に布団の中でスマホから音を出すとき、本体スピーカーのシャリシャリした音で妥協していた人は少なくないはず。小型スピーカーがロスレスに対応するということは、そういう「寝る前のちょっとした音楽体験」の質が地味に底上げされるということでもある。
日経新聞にBluetooth製品の記事が並ぶ異様さ
今回の見出しを並べて気づくことがある。日本経済新聞がBluetoothスピーカーやイヤホンの新製品リリースを立て続けに掲載している。JBL Gripの新色、サンワダイレクトのポータブルスピーカー、オープンイヤー型イヤホン、骨伝導ヘッドセット、ソニーのWF-C510——。
日経がガジェットのプレスリリースをここまで拾うのは珍しい。裏を返せば、Bluetoothオーディオ市場がそれだけ動いているということだろう。
| 製品 | タイプ | 注目点 |
|---|---|---|
| JBL GO 5 | ポータブルスピーカー | USBロスレス対応・マイクシステム |
| JBL Grip | ポータブルスピーカー | 新色追加でカラバリ強化 |
| 400-BTTWS7 | オープンイヤー型イヤホン | フック位置調整可・音漏れ対策 |
| ソニー WF-C510 | 完全ワイヤレスイヤホン | ソニー史上最小サイズ |
| Sonos Play | ポータブルスピーカー | 家でも外でも使える設計 |
各メーカーが共通して力を入れているのは「小型化」と「音質向上の両立」。数年前なら二律背反だったこの2つが、2026年春の時点で同時に成立し始めている。
「音質がいいBluetoothイヤホン」ランキング、1位は意外だったのか
TRILLの調査によると、300名を対象に「一番音質が良いと思うBluetoothイヤホンメーカー」を聞いたところ、2位がアップル、3位がアンカーだったという。1位のメーカーについては「臨場感が素晴らしい」「音域のバランスが良い」といった声が寄せられたとのこと。
「結局AirPodsでいいじゃんって思ってたけど、ちゃんと聴き比べると全然違う」「安いのに音がいいメーカーが増えてきて、もう値段で選ぶ時代じゃない」という声もある
アンカーが3位に入っているのが面白い。数千円台のイヤホンで「音質が良い」と評価されているわけで、価格帯の壁がますます曖昧になっている証拠だと思う。ASCII.jpでも「3万円かと思ったら8,000円以下」というUSBスピーカーの記事が出ていて、価格と音質の関係が崩れつつある空気を感じる。
・小型スピーカーにロスレス再生が降りてきた
・「史上最小」「手のひらサイズ」が各社の競争軸に
・低価格帯でも音質評価が高い製品が増加
・オープンイヤー型・骨伝導など「ながら聴き」需要に対応する製品が増えている
深夜のスマホ時間が変わるかもしれない、という話
GIGAZINEが取り上げたサンワダイレクトのオープンイヤー型イヤホン「400-BTTWS7」は、フックやスピーカーの位置を自由に調整でき、音漏れも抑えられるとのこと。骨伝導ヘッドセットに外付けマイクを着脱できる製品もサンワから出ている。
深夜2時、隣の部屋に家族が寝ている状況で音を聴きたい——という需要に、業界がかなり本気で応え始めている。数年前は「夜はイヤホンするしかない」だったのが、音漏れの少ないオープンイヤーや、枕元に置ける超小型スピーカーという選択肢が増えた。
「寝落ちするときにカナル型イヤホンは耳が痛くなるから、オープンイヤーに替えたら快適すぎた」「小型スピーカーを枕元に置くの、想像以上にいい」といった声がネット上で増えている
IKEAがBluetoothスピーカー用のバッテリーパックを出しているという話もある。ASCII.jpの記事によると、発売から1年遅れで衝動買いしたというレポートが出ていて、家具メーカーまでこの領域に入ってきている現状がよくわかる。
「小さい音」の時代が来ている
ここ数年のBluetoothオーディオの進化を振り返ると、方向性がはっきりしてきた。大きな音を出すことより、小さい筐体から質の高い音を出すこと。部屋を揺らすような低音より、枕元で心地よく聴けること。パーティーより、一人の時間。
JBL GO 5のロスレス対応も、ソニーの「史上最小イヤホン」も、オープンイヤー型の音漏れ対策も、全部同じ方向を向いている。
深夜にスマホを眺めながら、何かを聴いている時間。その体験の質が、2026年の春から少しずつ変わっていくのかもしれない。大げさな話ではなく、枕元のスピーカーが1台変わるだけの話なんだけど。
Bluetoothオーディオ、次に買うならどのタイプ?