深夜に小説を読むと脳が変わるって本当?最新研究で見えた、たった6分の効果

毎晩スマホをスクロールしながら「読書しなきゃな」と思って眠る人へ。サセックス大学の研究チームは、たった6分の読書でストレスが68%下がったと報告している。音楽でも散歩でもなく、本だった。
「読書中の脳」を覗いてみたら
エモリー大学のグレゴリー・バーンズが2013年に発表した研究がある。被験者に9日連続で同じ小説を寝る前に読ませて、毎朝MRIで脳をスキャンするという、まあまあ執念深い実験。
結果、読書をした朝は左側頭皮質——言語処理を担う領域——の結合性が明らかに上がっていた。しかも面白いのが、読み終えた後も最大5日間、その活動が続いたこと。
つまり、深夜に読んだ本の世界が、翌朝の通勤中の脳にもまだ残っている。
ページをめくる人は、めくらない人より長く生きていた
2016年、イェール大学の公衆衛生学部が3,635人を12年間追跡した結果がちょっと衝撃的だった。
雑誌や新聞ではダメで、本——小説でもノンフィクションでも——を読む人だけに効果が出ていたという点が一番引っかかった。研究チームは「物語を追うために必要な集中・推論・記憶の連動が、認知の老化を遅らせている可能性がある」と説明している。
断っておくと、これは相関であって因果じゃない。本を読む人は元から健康習慣を持っている、という解釈も成り立つ。
共感力まで上がるらしい
| 読んだジャンル | 他人の感情を読む力(テスト後) |
|---|---|
| 文学小説 | 上昇 |
| 大衆小説 | 変化なし |
| ノンフィクション | 変化なし |
| 何も読まない | 変化なし |
サイエンス誌に載ったキッドとカスタノの2013年の研究。文学小説を数分読んだだけのグループだけ、写真の目元から感情を当てるテストの成績が伸びた。チェーホフやマンローのような「人物の内面が複雑に描かれる作品」が条件だった。
「文学小説は読者を、登場人物の心を能動的に推測する役割に追い込む。その筋肉が、現実の他人に対しても働くようになる」——研究チームのコメント
俺はこれを読んで、最近Netflixばかりで小説を全然開いていないことを思い出した。受動的に物語を受け取るのと、文字から世界を組み立てるのは、脳の使い方が全然違うらしい。
でも、スマホで読む読書はどうなんだ問題
気になるのはここ。Kindleやスマホアプリでの読書も同じ効果があるのか。
2019年のノルウェー・スタヴァンゲル大学の比較研究では、紙の本で読んだグループの方が、ストーリーの時系列を正確に再構成できた。ただし「内容の理解度」自体に大きな差はなかった、というのが正直な結論。
寝る前に限って言えば、ブルーライトの問題があるので電子書籍より紙が無難、というのが今のところの落とし所っぽい。e-inkのKindleならそこは回避できる。
最近、本を最後まで読み切ったのいつ?
結局、何分読めばいいのか
サセックス大学の6分、というのは「ストレスが下がり始める」までの時間。脳の構造的な変化を狙うなら、エモリー大学の研究では「30分を9日連続」が一つの目安になっていた。
毎晩30分はキツい。でも、TikTokを30分スクロールした夜と、小説を6分だけ開いた夜では、翌朝の自分が違うかもしれない。研究はそう示している。
枕元に1冊置いておくくらいなら、今夜からできる。
参考・出典
- Short- and Long-Term Effects of a Novel on Connectivity in the Brain (Berns GS, Blaine K, Prietula MJ, Pye BE, 2013) — Brain Connectivity
- A chapter a day: Association of book reading with longevity (Bavishi A, Slade MD, Levy BR, 2016) — Social Science & Medicine
- Reading Literary Fiction Improves Theory of Mind (Kidd DC, Castano E, 2013) — Science