答えがまだない科学の問いを並べてみると、思った以上に多い。脳・宇宙・人体、3分野を覗いてみる。
夢は何のために見るのか
夢を見る理由について、いまだ定説はない。記憶の整理という説、感情の処理という説、進化の名残説。候補は並ぶが決め手に欠ける。レム睡眠中の脳活動を測定しても、なぜ視覚的なストーリーが脳内で生まれるかまでは説明できていない。
デジャヴの正体
初めての場所なのに「ここに来たことがある」と感じるあの現象。記憶のエラーで説明する研究もあれば、脳の左右で処理速度がずれて生じるという仮説もある。決着にはまだ程遠い。
意識のハードプロブレム
最大の難問はここに集約される。ニューロンの発火パターンから、なぜ「赤を見ている」という主観体験が生まれるのか。物理的な脳の働きと主観の関係を、まだ誰も橋渡しできていない。
夢を見ない人はいない。誰もが毎晩1〜2時間ほど夢を見ているが、覚えているかどうかは別の話。起床から3分以内に記憶から消えていくとされる。
宇宙の95%が正体不明
人間が観測できる物質は、宇宙全体のおよそ5%。残りの95%は何でできているか分かっていない。ダークマターが約27%、ダークエネルギーが約68%を占めるとされるが、両者ともまだ直接観測できていない。
0
%
宇宙のうち、正体が分かっていない割合
フェルミのパラドックス
「これだけ広い宇宙に、なぜ地球以外の文明が見つからないのか」という問い。1950年、物理学者エンリコ・フェルミが昼食中に発したと伝えられる。70年以上たった今も、決定的な答えは出ていない。
宇宙はなぜ加速膨張しているのか
1998年に発見された宇宙の加速膨張。重力で減速するはずの宇宙が、なぜか加速しながら広がっている。原因とされるダークエネルギーの正体は、現代物理学の最大の謎の一つ。
夜空に見える星は、観測した時点ですべて「過去の光」。アンドロメダ銀河の光は250万年前のもの。今この瞬間に銀河が存在しているかどうか、人類には確認する術がない。
あくびはなぜうつるのか
共感性説、模倣説、脳の温度調節説。仮説は複数あるが定説に至っていない。チンパンジーや犬、オウムでも観察される現象で、社会的な意味を持つことまでは分かってきた。ただし「なぜ伝染するのか」のメカニズムは未解明。
右利きが9割を占める理由
遺伝、胎内環境、文化的圧力。複数の要因が絡んでいると見られるが、完全な説明はまだない。200万年前の化石化した歯にも右利きの痕跡が確認されており、人類という種に元から組み込まれた特徴と推測されている。
プラセボ効果のメカニズム
偽薬と知らされていても効く、というケースが報告されている。「オープンラベルプラセボ」と呼ばれる研究分野。脳が自分自身に対して薬理作用を生み出している、というところまでは見えているが、その仕組みは謎のまま。
| 現象 | 分かっていること | 分かっていないこと |
| あくびの伝染 | 複数の動物で観察 | なぜ伝染するか |
| 利き手 | 9割が右利き | 決定要因の全体像 |
| プラセボ | 偽薬でも効果が出る | 脳内のメカニズム |
3分野を並べて気づくのは、人間の身近にあるものほど答えが出ていないということ。あくびや夢といった毎日経験する現象が、いまだ謎というのは奇妙な感覚。
どの分野の謎が一番気になる?
Amazonで関連商品を見る