SNSが止まった国でBluetoothアプリが急増していた件 — イラン・ネパールで何が起きてる?

SNSが止まった国でBluetoothアプリが急増していた件 — イラン・ネパールで何が起きてる?
この記事は考察・情報整理を目的としており、事実の断定ではありません。

SNSが遮断された国で、Bluetooth経由のチャットアプリのダウンロードが跳ね上がっていた。イランは2ヶ月以上ネットが切れた状態が続き、ネパールでも同じ流れ。深夜にスクロールしていて目に入った話を整理してみる。

イランとネパールで何が起きていた

朝日新聞によると、イランではネット遮断が2カ月に達し、SNSはおろか通常のウェブも使えない状況が続いていた。経済への打撃も相当深刻だという報道が出ている。

そして日本経済新聞は、イラン国内で「ネット不要の連絡アプリ」の利用が15倍に急増したと報じている。15倍。グラフで見たら気持ちいいレベルで跳ねている数字だ。

同じことがネパールでも起きていた。Forbes JAPANによれば、SNSが遮断されたネパールでジャック・ドーシー(Twitter創業者)が手がける匿名メッセージアプリ「Bitchat」のダウンロードが急増したとのこと。国は違えど、起きていることの構造はほぼ同じに見える。

整理しておきたい事実
・イラン: ネット遮断2カ月超、オフライン連絡アプリ利用15倍(日経)
・ネパール: SNS遮断中、Bitchatダウンロード急増(Forbes JAPAN)
・どちらも「政府がSNSを止めた」状況で、人々は別の通信手段に流れた

「bitchat」って結局どんなアプリだっけ?

GIGAZINEの記事を読み返した。bitchatはジャック・ドーシー氏が開発中のチャットアプリで、特徴は「アカウント作成不要」「Wi-Fiやモバイル回線に接続せずに通信可能」というもの。Bluetoothで近くの端末同士がP2Pで繋がる仕組みだとされている。

つまり、電波塔が落ちてもサーバーが止められても、端末と端末がBluetoothで届く距離にあれば、メッセージはバケツリレー的に運ばれる。理屈の上では。

もちろん限界はある。Bluetoothの到達距離は通常10〜100m程度。人がたくさんいる広場やデモ現場のような環境ではメッシュネットワークが成立しやすく、逆に過疎地ではほぼ機能しない。「どこでも使える魔法」ではない。

「ネット遮断する側がBluetoothまで止めるのは技術的にきついから、結果的にローテクが勝つの皮肉すぎる」という声もある

なんで今このタイミングで広がっているのか

Bluetooth Meshの考え方自体は新しくない。CEATEC 2017では80個のLED電球をBluetooth Meshでまとめて制御するデモが披露されていた、という記録もINTERNET Watchに残っている。技術としては10年近く前から地道に実装が進んでいたものだ。

それが今になって一般ユーザーのスマホに降りてきた理由は、おそらく2つ。スマホ側のBluetooth性能が安定してP2P通信に耐えるレベルになったこと。もうひとつは、SNS遮断という「需要」がリアルに発生したこと。

後者がでかい。技術が普及するには「これがないと困る場面」が要る。デモを組織化する人にとって、政府がSNSを切ったあとも仲間と連絡が取れるかどうかは生死に近い。需要の切実さが違う。

日本で深夜にスマホ眺めてる俺たちに関係あるのか

「日本ではSNS遮断なんて起きないでしょ」と思って読み流すのは早い気がする。理由は二つ。

一つめは災害。地震や水害でキャリア網が落ちた経験は、ここ数年だけでも何度かあった。停電が続いて基地局のバッテリーが切れたとき、Bluetooth P2Pは選択肢になり得る。「災害用伝言ダイヤルだけが命綱」という時代から少しずつ変わるかもしれない。

二つめは、SNS依存の問い直し。日本経済新聞の別の調査では「10代の7%にSNS依存疑い、若年層ほど割合高く」とされている。子どものSNS年齢確認義務化の議論も読売新聞が伝えていて、SNSとどう距離を取るかは政府レベルの課題になりつつある。

SNSが「止まる側」の話と「使い過ぎ」の話は別件に見えて、根っこでは「俺たちはこの一つのプラットフォームに乗りすぎてないか?」という同じ問いに繋がっている、と俺は思う。

深夜に覚えておくと良さそうなこと
SNSは便利だが「止まりうるインフラ」だ。Bluetooth P2Pみたいな代替手段が静かに育っていることは、災害想定としても知っておいて損はない。bitchatはまだ開発中で、変動する情報は公式の発信を直接見るのが安全。

SNS反応と俺の考察

ネット上では「ジャック・ドーシーがTwitter作った人とは思えない逆方向の発明」「中央集権からP2Pへの揺り戻し」みたいな反応が多めに見える。一方で「日本でこんなアプリ流行る土壌ある?」という冷めた声もある。

「平時は誰もインストールしない。でも入れておけ、と言われる日が来るかもしれない」という意見もある

正解はわからない。ただ、SNSが「公共の言論空間」だと信じていた前提が、世界のどこかで崩されている事実は、寝る前に一度くらい思い出してもいい話だと思った。

もしSNSが1ヶ月止まったら、あなたが一番困るのは?

結局のところ、Bluetoothで動くチャットがネパールでDL急増していた、という一行ニュースの裏には、SNSというインフラの脆さが隠れている。深夜2時に読むには重いけど、たぶん覚えておいて損はない話だ。

情報の正確性については各自でご確認ください。
アプリ通信方式ネット遮断時の挙動急増した国・時期
BitchatBluetooth Mesh半径30m前後でピア間中継、最大数百mまでホップイラン(2025年6月のSNS遮断時にApp Store上位)
BridgefyBluetooth + Mesh SDKオフラインでも1対1・グループ送信が可能ネパール(2025年9月のSNS禁止令直後にDL急増)
BriarBluetooth / Wi-Fi / Torサーバー不要、端末同士で完全P2P同期香港・ミャンマーに続きイランでも再注目
FireChat(過去事例)Bluetooth Mesh2014年香港デモで50万DLを記録した先駆け参考:2014年香港・2019年再評価

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