ゲームを毎日してる人の脳、スキャンしたら意外な結果だった

ゲームを毎日してる人の脳、スキャンしたら意外な結果だった
この記事は研究・論文の内容をわかりやすく紹介したものです。詳細は原著論文・原典をご確認ください。

深夜に布団の中でソシャゲしてる自分が、ちょっと誇らしくなる話がある。米国で2,000人の子どもの脳をスキャンしたら、毎日ゲームをする組の方が、全くしない組より認知テストのスコアが高かった。

9歳2,000人の脳スキャン、結果は予想外だった

2022年、米バーモント大学のBader Chaaraniらが『JAMA Network Open』に発表した研究がある。9〜10歳の子ども約2,000人を対象に、ゲームのプレイ時間と認知機能、さらに脳のfMRI画像を突き合わせた大規模調査。fMRIは血流の変化から脳のどこが働いているかを可視化する装置だ。

分けたのは2グループ。1日3時間以上ゲームをする子と、まったくゲームをしない子。日本の感覚だと前者はちょっと心配される側だが、データはその逆を示した。

ゲーマー組の方が、作業記憶と衝動制御の2つの課題でスコアが上回った。fMRIで見た脳の活動パターンも、注意と記憶に関わる領域で非ゲーマー組より活発だった(Chaarani et al., 2022)。

「ゲームばっかりしてると頭悪くなるぞ」と言われ続けた世代からすると、ちょっと騙された気分になる数字。

ゲーム=脳に悪い、は古い相場観だった?

90年代〜00年代の研究は、暴力的ゲームと攻撃性の相関を追うものが主流だった。結論はいまも割れている。ただその裏側で、別の流れが静かに進んでいた。

ロチェスター大学のDaphne Bavelier教授らは、2000年代前半から「アクションゲームをする人は、しない人より視覚的注意や意思決定の速度が速い」というデータを積み上げてきた。FPSのように、画面の端にも気を配る必要があるタイプのゲームだ。

2014年にはドイツのMax Planck人間開発研究所のSimone Kühnらが、2ヶ月間『Super Mario 64』を1日30分プレイしたグループで、右海馬・前頭前野・小脳の灰白質が増加したと報告している(Kühn et al., Molecular Psychiatry, 2014)。

マリオを2ヶ月プレイしただけで、空間認識・記憶・運動制御に関わる脳領域の灰白質が物理的に増えた。ゲームは脳の「構造」自体を変えうるかもしれない。

時代ごとに、研究スタンスはこう動いてきた

時代注目されたテーマ主な傾向
1990s〜2000s暴力ゲームと攻撃性肯定・否定の結果が混在
2010sアクションゲームと認知機能視覚注意・意思決定速度が上がる報告
2020s大規模脳スキャン研究作業記憶・衝動制御で優位の報告も

ただし、万能薬ではない

Chaaraniらの研究にも限界はある。研究チーム自身、論文の中で「これは相関であって、因果ではない」と明記している。もともと認知機能が高い子どもがゲームを選好しているだけ、という逆向きの説明もできてしまう。

もうひとつ。比較されたのは「3時間以上」と「ゼロ」の極端な2群。1日1〜2時間という、リアルな多数派がどうなっているかは、この論文ではほぼ語られていない。

睡眠時間を削ってまでやる、負けてイライラして物に当たる、現実の予定を飛ばす。この辺のラインを越えたら、脳の話をする前にライフスタイルの話になる。

現時点の科学的な位置:「ゲームは脳に悪い」でもなく「ゲームすれば頭がよくなる」でもない。ジャンルと量によっては、認知機能にプラスに働く可能性がある — その程度の温度感。

深夜にソシャゲしてる俺たちの話

正直、ソシャゲの脳への影響を狙った大規模研究はまだほとんど見当たらない。アクションゲームやパズルで示された知見が、ガチャを引いている時間にどこまで重なるかは未知数。

ただ、少なくとも「ゲーム=時間の無駄」という昭和寄りの相場観は、2020年代の脳科学からはもう支持されていない。

あなたはこの研究結果、どう受け止めた?

今夜もコントローラーを握るあなたへ。少なくとも脳の方は、あなたをそれほど責めていない。

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